埼玉平和センター第10回総会
平和センター関東ブロック総会
「食・みどり・水と環境」が総会
狭山裁判で東京高裁、高検へ要請行動

アジア・アフリカ支援米の発送式

支援米の発送式

 食・みどり・水と環境を守る埼玉県民会議(議長、高橋正平元県議)は1月16日、飢餓に苦しむ世界の人々に人道支援するアジア・アフリカ支援米運動の一環としてさいたま市で発送式を行いました。今回は同市の2カ所で15アールの作付けをして収穫された540kgがアフリカ・マリ共和国へ送られました。
 発送式では高橋議長に続いて運動に取り組んだ南部市民の会の代表らが苦労話を交えながら、それぞれあいさつしました。
 県内では92年いらい取り組まれてきましたが、田んぼの提供者や近隣の農業者が小学校で出前授業を行ったり、市民や小学生に農業を体験してもらう「体験学習田」が実施されるなど、定着した運動となっています。

 


地域から護憲運動の強化を確認−第45回護憲大会−

 

護憲大会の開会総会

 総選挙の実施が予想されたため延期された第45回護憲大会が1月31日から3日間、高松市で開かれました。
 開会総会には2500人が参加し、自衛隊の海外派兵や新法制定、基本的人権の破壊を許さず、当面する総選挙闘争で自公政権を退陣に追い込むことを確認しました。
 埼玉からは長竹弘県平和センター事務局長を団長に15人が参加しました。「なし崩し改憲」の動きが強まるなかで、改めて地域からの護憲運動の強化が呼びかけられました。
 なお次回大会は11月1日から3日間、長野市で開かれる予定です。

 


 

狭山裁判の再審勝利へ県集会

再審勝利へ決意を述べる
石川一雄さん、早智子さん
(3月11日 )

 63年に埼玉県狭山市で起きた女子高校生殺人事件で被差別部落出身の石川一雄さん(70)に一審の浦和地裁(当時)が死刑判決を言い渡してから45年が経過しましたが、部落解放県共闘会議(浪江福治議長)や部落解放同盟県連(片岡明幸委員長)などは再審開始を求める埼玉集会を3月11日夜、さいたま市で開きました。310人が参加し、今年は第3次請求で事実調べを実現できるかどうかの正念場だとして「再審開始の扉をこじ開ける一大運動を巻き起こそう」とする決議を採択しました。
 集会では片岡委員長や日森文尋衆院議員(社民党連合代表)、秦哲美県議(民主党県連顧問)のあいさつなどに続いてやはり再審の開始を求めている布川事件の元被告・桜井昌司さん(62)から特別報告が行われました。桜井さんは警察による「自白」強要の様子を生々しく述べながら、「狭山事件と一緒に闘いたい」と決意を語りました。
 妻の早智子さんとともに石川さんが登壇し、「古希を迎えたが、闘争心は衰えていない。再審開始を勝ち取るために不退転の決意で闘う」と述べました。
 なお部落解放同盟県連はこれより先、1月24日に狭山市で解放同盟や部落解放県共闘、住民の会の代表など40人が参加して拡大狭山闘争本部会議と新年交流会を開きました。


県平和資料館の「従軍」削除問題
 議論の継続を確認

平和資料館で『従軍慰安婦』の
『従軍』が削除された年表を見るり・ヨンスさん

 県平和資料館(宍戸信敏館長)の運営協議会が3月18日に開かれ、同館の年表展示から「従軍慰安婦」の「従軍」が削除された問題について今後も引き続き議論を継続していくことを確認しました。
 埼玉県では06年に上田清司知事が県議会で「慰安婦はいたが、従軍慰安婦はいなかった」と発言したことを受け、同館が表記を変更したことに市民団体や在日外国人組織から強い批判が寄せられていました。
 この日の会議で傷痍軍人会の代表が「朝鮮人13人が慰安所に連れてこられ、兵士たちは上官から『慰安所に行く者は手を挙げろ』と言われ、引率されて行った。『(慰安婦が)逃亡したら殺害してもいい』などと歩哨は言われていた」などと生々しく証言しました。
 ところで、3月1日は朝鮮半島で民衆が決起し独立宣言してから90周年にあたりましたが、東松山市で従軍「慰安婦」問題を問う埼玉集会が同日開かれました。200人が参加し、元従軍「慰安婦」で17年前に名乗りをあげた李容洙(イ・ヨンス)さん(80)が韓国からかけつけ、自らのつらい経験を切々と語りました。李さんは「日本政府にはひざまずいて謝罪と賠償をしてほしい。いまだに心身とも傷ついているが、私はこれからも証言を続けていく」と述べました。

 





活動の一層の飛躍を呼びかける浪江県平和センター議長

 

  埼玉平和センターは08年12月12日、さいたま市で節目となる第10回総会を開きました。総会には代議員や個人会員、役員、来賓ら70人余りが参加し、2009年度活動方針などを採択するとともに、浪江福治議長−長竹弘事務局長を先頭とする執行部を再選しました。
 あいさつにたった浪江議長は、7月に横須賀市で開かれた米原子力空母母港化阻止集会に県内からも多数が参加した成果にふれながら、「なし崩し改憲の動きも強まっており、平和を求める勢力をどう増やしていくか議論したい」と述べました。代議員、個人会員4人が発言し、報告と方針案を補強しました。
 なお総会に先立って元埼玉弁護士会会長の田中重仁弁護士を講師に、5月に始まる予定の裁判員制度についての学習会が開かれました。
 総会で採択された2009年度活動方針の「はじめに」と「T、平和・国民運動の前進」の項の全文は以下のとおりです。



活動計画案を提案する長竹事務局長



活動報告を補強する発言を述べる代議員


埼玉平和センター2009年度活動方針


はじめに

 
 ブッシュ大統領や小泉首相が旗振り役となって進めてきた市場万能主義あるいは武力による「テロとの戦い」の破産が明白になっています。米国ではブッシュの路線を痛烈に批判したオバマが次期大統領に当選しました。日本でも安倍に続き福田も政権を途中で投げだし、引き継いだ麻生政権も成立からわずか数か月で青息吐息の状態です。2009年9月までに必ず実施される衆院総選挙に勝利し、今度こそ国民と憲法をないがしろにする自公政権を退陣に追い込まねばなりません。
 ところがこうした情勢のもとで戦前の軍部の暴走を想起させるような事態が発生しました。「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」と航空自衛隊の幕僚長であった人物が歴史をねじ曲げる“論文”を発表したのです。しかし、政府はこの“論文”が過去の植民地支配と侵略への反省とお詫びを表明した「村山談話」(1995年)を公然と否定したものでありながら、この人物を更迭しただけで懲戒免職にしませんでした。「文民統制」は重大な危機に直面しています。
 沖縄戦での「集団自決」への日本軍強制や従軍慰安婦の否定、「南京虐殺はなかった」とする歴史の歪曲と密接な関連を持っており、09年の中学校教科書採択に大きな影響を与える可能性があります。「戦争のできる国」づくり、そして憲法改悪につながる危険性を軽視できません。
 取り巻く情勢を正確に認識しながら、平和憲法の理念の実現をめざした活動を強めることが重要です。埼玉平和センターはこの1年、各構成組織の協力を得ながら活動してきました。特に横須賀港への米原子力空母母港化阻止の闘いでは7月19日の1万5千人集会に県内から350人余りが参加するなど、集会成功の一翼を担いました。
 2009年は、イラク・アフガニスタンからの外国軍隊の完全撤退、憲法審査会の稼働反対、米軍再編の具体化反対、沖縄戦歴史教科書記述の修正、狭山第3次再審闘争の勝利など、私たちの真価が問われる重要な年です。これまでの活動に自信を持ちながら、一歩前に踏み出したいと思います。
 1999年12月に平和・人権運動を担う労働組合の組織として活動を始めて9年が経過し、今回第10回総会を迎えることができました。5年前から民主団体や個人にも加入を呼びかけるようになりましたが、その責任はますます大きくなっています。
 そこで、埼玉平和センターは、2009年度の重点課題を次のように設定します。
 1,埼玉県平和運動センターの名にふさわしい平和・国民運動の一層の推進を図ります。各構成組織と各ブロック、地区から平和憲法の改悪に反対する運動を強化します。
 2,組織の拡大、強化を実現します。新規加入組織と個人会員の拡大に努力します。 3,制度・政策要求、学習活動の推進を図ります。
 4,中央の「フォーラム平和・人権・環境」(平和フォーラム)や関東ブロックをはじめとする各都道府県の平和運動センター、全国基地ネットワークとの連携の強化を図り、平和・国民運動を推進します。
 
T、平和・国民運動の前進
 
 1,護憲運動の強化

 憲法の改悪に反対し、平和と民主主義、人権を守る運動を今後とも強化します。とりわけ平和フォーラムが提起する諸課題への取り組みを推進します。
 改憲につながる憲法審査会の稼働に反対します。また「国民保護計画」に基づく労働者・市民に戦争協力を強いる動きが進み、市民社会の監視を強める共謀罪の成立が狙われています。これらの動きに反対します。格差、貧困の拡大により脅かされている生存権を守ります。
 教育基本法の改悪により教育現場に管理や競争主義、格差、差別の構造が持ち込まれています。これは人権無視やいじめ、児童虐待、ひいては「戦争のできる国」づくりにつながるものです。子どもの権利や成長のために「埼玉教育フォーラム」を通じて憲法理念の実現をめざします。
 これらの活動をブロックや地区平和センター(地区労)を軸に進めます。
 米軍の世界的な基地再編(トランスフォーメーション)を通じていっそうの基地強化と地域住民への犠牲をさらに強いる情勢となっています。首都圏ではキャンプ座間への米陸軍第1軍団司令部の移転や横須賀への米原子力空母の母港化に続いて、横田基地の軍民共用空港化などが狙われています。県内基地移設や沖縄戦の史実改ざんに反対して闘う沖縄県民と連帯します。とりわけ5月の平和行進を重視します。
 県内でも上田知事らによる県平和資料館の展示見直し問題など、足元から平和・人権の取り組みを強化することが求められています。その観点からフィールドワーク「平和・人権」をさらに充実、発展させていきます。
 
 2,原水禁運動の強化
 地球上にはなお2万6千発もの核兵器が存在し、人類は核と戦争の脅威から解放されていません。核保有国の核軍縮は一向に進まず、米ロは臨界前核実験を繰り返しています。米印原子力協定の締結など、核拡散の動きも強まっています。米国は「核の先制使用」という選択肢を放棄せず、被爆国である日本政府もこれを追認しています。被爆者の願いである核兵器廃絶・反戦・平和の声を今こそ高くあげねばなりません。
 一方、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発をめぐっては米国が10月に北朝鮮を「テロ支援国家」リストから除外し、6カ国協議は紆余曲折はあるものの全体として前進を見せています。
 この間、「原子力の平和利用」の名のもとに進められてきた日本の原子力政策は、中越沖地震に伴う柏崎刈羽原発の深刻なトラブルに加え、電力業界の悪質な事故隠し、データ改ざん、手抜き工事などで行き詰まりを見せています。しかし、原子力推進派は「原子力は地球温暖化防止の切り札」と称して青森県六ヶ所村再処理工場の稼働や高速増殖炉もんじゅの運転再開などプルトニウム利用路線を放棄しようとしていません。しかし、環境を汚染しつづける放射能が環境に優しいはずがありませんし、累積2兆円、40年をかけても実用化の見通しがたたない高速増殖炉は税金の無駄遣いとしかいいようがありません。
 一方、ヒロシマ,ナガサキの被爆者は、原爆症の認定を求めて集団訴訟に訴えています。埼玉でも被爆者の遺族が訴訟を起こしています。国は通算13連敗しているにもかかわらず審査方針を一部見直しをしたものの判決を受け入れていません。
 私たちは被爆者の生の声を聞く機会を増やすことなどに留意しながら、21世紀を担う若い世代への着実な運動継承を図ることが重要な課題です。合わせて埼玉県民の貴重な財産である&原爆の図丸木美術館への支援を進めます。「ヒロシマに学ぶ埼玉子ども代表団」は来年16回目を迎えますが、参加総数は251人に及んでいます。参加者の“同窓会”を企画するとともに、カンパ活動を実施します。
 また非核平和行進や原水禁大会とほぼ同時期に取り組まれている原爆絵画展、青年の反核平和の火リレーとも連携を強めていきます。市町村合併を受け仕切り直しを迫られている「非核自治体宣言」の採択と実効ある取り組みを求めていきます。
 
 3,部落解放県共闘会議の強化
 狭山裁判は第3次再審請求の申立てから2年余りが経過し、弁護団は多くの新証拠を提出し、東京高裁に事実調べと証人尋問、東京高検には証拠開示を強く求めています。元被告・石川一雄さんはジュネーブの国連自由権規約委員会で無実を訴えました。昨年相次いで無罪判決が出された鹿児島・志布志事件や富山・氷見事件では警察の取り調べでウソの自白を強要されたことが明らかになりました。狭山事件と同じで、後を絶たないえん罪事件をなくすには取り調べの可視化や代用監獄の廃止などが不可欠です。
 事件から45年余り経過しながら、支援の輪を広げ粘り強く闘われている狭山闘争に連帯していきます。狭山事件の当該県として、また部落解放県共闘の一員として、解放同盟県連や「狭山事件を考える住民の会」などと連携し、再審を求めて闘います。とりわけ、若い層に運動のすそ野を広げる努力を重視します。
 また部落解放・人権確立制定要求運動に連帯する取り組みを強化します。後を絶たない悪質な差別事件を許さないため当面、「人権侵害救済法」の制定に向けて協力していきます。
 
 4,食・みどり・水と環境を守る埼玉県民会議との連携
 相次ぐ食品偽装の発覚や地球温暖化問題が世界的に深刻化するなかで食料や水、森林、健全な地域社会の大切さが再認識されています。
 しかし、水田農業は米価の下落と飼料高騰、酪農・畜産は異常気象と穀物奪い合いによる飼料価格の高騰でコメ作りの放棄、倒産続出が予測される事態となっています。さらにWTO農業交渉やFTA日豪交渉の結果次第では安い輸入農産物が国内市場を席巻し、国内農業に致命的な打撃を与えかねません。米作農民や酪農・畜産農民は「日本に農業はいらないのか」と訴え、その存続と発展を呼びかけています。
 みどり、水についてもその重要性が指摘されながら、現実には切り捨て、民営化の流れが強まっています。
 新年度も食・みどり・水と環境を守る埼玉県民会議と組織的には並存しながら、活動していくこととします。また、埼玉平和センターは、中央のフォーラム平和・人権・環境の食・みどり・水委員会の窓口としての役割を果たしていくことにします。
 


 関東各都県の平和センターで構成する関東ブロック連絡会議の第7回総会が11月30日、千葉県館山市で開かれました。関東ブロックは護憲大会(05年・埼玉、07 年・東京)
や今年の横須賀行動などを通じて連携を深めてきました。
 総会では浪江代表(埼玉平和センター議長)−加藤泉事務局長(神奈川平和センター事務局長)をはじめとする執行部を再選しました。また翌日は館山市内の戦跡をめぐるフィールドワークが実施されました。



戦前、館山海軍航空隊の防空壕だった赤山地下壕を見学する
平和センター関東ブロックの代表

 


 食・みどり・水と環境を守る埼玉県民会議(議長、高橋正平元県議)の第17回総会が12月15日さいたま市で開かれ、地域に根ざした取り組みの強化を柱とする活動方針を採択しました。1月にも県内2カ所の生産調整水田を利用して生産された540`のコメがアフリカ・マリ共和国に支援米として送られることになっています。
 総会後、鈴木宣弘さん(東大大学院教授)が「WTO、食料と農業の危機にどう立ち向かうか」と題して記念講演しました。



主催者を代表して挨拶する高橋正平県民会議議長


 



 部落解放同盟県連は12月24日、東京高裁と東京高検に対し、第3次再審請求が申し立てられている狭山裁判の要請行動を行いました。
 埼玉平和センターの浪江議長はじめ22人が参加し、高裁に事実調べと証人尋問、高検に証拠開示を強く求めました。

 

 



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